不動産部

不動産部 よもやま話 Vol.11【不動産業務を自動処理】

こんにちは。

工務部楠です。

先月、工務部で業務の改善をしているという記事を書きました(技術と知識)。今回は、不動産部の業務改善についてお伝えしたいと思います。

 

昨年から、不動産部では、査定のクオリティを上げるために便利なシステムを使い始めました。システムと言っても、みなさんおなじみのExcelで作ったシートです。僕も実際に少し触らせてもらって、ほうほう、なるほど~という感じだったんですが、ノンプログラムで、マクロも使わず計算式だけを駆使して作ったと聞いて、二度見しました。プログラミングを昨年より割と真面目に勉強してきた身としては嫉妬と羨望です。こっちはナイキ履いて靴擦れしてるのに、学校指定の内履き履いてる方がバスケうまい、みたいな感じですかね。違いましたかね。まあ、どっちでもいいです。

 

さて、このシステム、一言で言うと「簡単に不動産の査定ができるシート」なんですけど、詳細は一応企業秘密とさせていただきますが、概要を聞いてきました。

21-02-15ブログ

※作ったスタッフさんは匿名希望とのことなので、匿名Aさんとさせていただきます。

 

以下、匿名Aさん → A、楠 → く

 

く:システムを作ろうと思ったきっかけは?

 

A:収益不動産の利回り計算(試算)をしていた同僚が、ある1つの前提条件変更によりぐったりしながら再計算しているのをみて気の毒になりました。収益試算の計算式をエクセルに入力しておけば、変更された箇所だけ修正するとその後の計算は全てパソコンがしてくれます。作ってあげると大変喜ばれたので、調子に乗って計算に多大な時間を要していた査定シートも作り始めてしまいました。何度も挫折しそうになりながら、半年かけて一応の形に仕上げました。

 

く:不動産業務において、査定とはどんなものですか?

 

A:不動産の査定には、売却の際に行う売却価格決定のための査定と、賃貸に供する際に行う賃料査定とがあります。前者について、具体的には、指針となる公的価格(路線価・公示価格など)を参考にしつつ、近隣取引事例の相場や推移を分析して当該不動産の適正な取引価格を算出します。査定対象物件の近隣における類似した物件の現行相場が最も重要になることは、売却の場合でも、賃貸の場合でも同様です。

 

く:不動産業務の中で査定が占める割合はどのくらいですか?

 

A:不動産部の仕事は、物件広告などを主とする営業活動がメインであり、査定業務は量的には微々たるものです。もっとも、査定の内容次第で、その物件に関する営業活動を任せていただけるか否かが決まるので、質的には相当な比重を占めていると思います。営業活動をするべき「商品」の「仕入れ」になりますので。ここでいう、「査定の内容」とは、高額な査定をするという意味ではなく、あくまでも適正な価格を算出することが前提であり、その算出過程をお客様に納得いただけるよう丁寧にご説明するという意味です。

 

く:なるほど。 

 

A:上述のとおり、査定では近隣取引事例の分析が最も重要であり、取引事例を適正に分析することが必要です。土地・建物は、同じものは2つとなく、物件によって全く性質が異なるため、各々の特性による差異を除去して事例を標準化し、近隣相場を把握します。次に、その結果求められた近隣相場に対し、査定対象物件の性質を勘案して適正な価格を算出します。簡易査定は、この前段の標準化の計算(近隣相場の把握)を自動化するものであり、各取引事例の客観的データを入力することで、近隣相場が算出されるようになっています。

 

く:決められたいくつかの要素を入力すると、自動的に計算してくれて近隣相場が出る。それが簡易査定シートなんですね!

具体的に簡易査定システムを使うとどのくらい業務時間が圧縮されているんですか?

 

A:以前は30時間ほどかかっていた作業が、10時間ほどに短縮できているはずです。計算作業や収集した情報の整理に費やしていた時間が省略できるようになったのですが、その分、近隣取引事例の分析や査定対象物件の検討に、じっくりと時間を費やすようになった感じがあり、査定に要するトータル時間は実は変わってなかったりします。作り上げて感じたことは、査定は、人間の頭で考える部分を省略するのは不可能だということでした。でも、意味がなかったわけではないと自分を慰めています。

 

く:慰める(笑)。査定時間は変わらなくても、考察の時間を作れるということは、査定や営業に関するクオリティが上がるということですよね。実際に使っているスタッフもすごいすごいと言ってますし、すごく価値のあるシステムだと思います。

 

匿名Aさんありがとうございました。

 

21-02-15ブログ②

 

今回のシステムは、Excelの関数を中心に作成されました。Excelの関数と言えばExcelを使う人であれば、何かとお世話になる馴染み深い機能なので、取っ掛かりの敷居は低めです。ただ、今回のシステムは作業する内容が複雑。最低限、作業内容をよく知っていて、さらにExcelの関数を使いこなせないと完成しません。それを関数だけを駆使して、いくつもある面倒な処理をクリアした匿名Aさんはすごいなと思います。プログラミング言語のような新しい便利そうな道具の使い方を覚えるのも大事ですけど、まずは手持ちの道具を磨いてとことん使いこなすことも大事なことだなあと感じました。

 

 

作 :不動産部 匿名A

編集:工務部  楠

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